改訂 卒業―高校生に詩を書かせた先生
本書は「働き学ぶ昭和の高校生」「働き学ぶ平成の高校生」「自己の成長を見つめる『詩』の指導」「定時制高校の現状と課題」の4章構成になっています。
すべての章が働き学ぶ定時制高校生の詩を柱に展開されています。昭和の集団就職組に代表される働き方学び方、平成の「リストカットをしたり、物にあたったり(略)、家族や自分よりも弱い者にあたったり、自分だけが苦しい思いをなぜしなければならないのか」と苦悩しながら働き学んでいる生徒もいます。
生徒たち一人ひとりが貧困や孤独であることを詩のかたちで表現することはとてもつらく勇気がいることです。
著者の遠藤先生は、「自分のほんとうの姿を認めることができて初めて、自分の未来を信じることができる」と語り、一人ひとりの生徒によりそう教育をていねいに展開しています。
本書は、初版が発売4日で、事実上出版停止と全面回収を埼玉県教育委員会から指示されました。その経緯は「あとがきのあとがき」に記述されています。
著者:
遠藤芳男(えんどう・よしお)編著
1950年埼玉県生まれ。73年新潟大学人文学部卒業。埼玉県立松山高校定時制、同県立坂戸ろう学校ほか、県内全日制高校2校を経て、同県立上尾高校定時制勤務。2010年3月、定年により教師生活に別れを告げる。現在、川口自主夜間中学にて講師のボランティアを務める。
販売元:
駒草出版 株式会社ダンク 出版事業部
デザイン:
宮本鈴子(ダンクデザイン部)